MAG1は私が求めるUMPCの完成形だった!スリムベゼルの8.9インチディスプレイとタッチパッドが快適でメイン機並みに使えそう。名機T90CHIの進化版のようだ!だけどその分ワクワク感は減ったかもね。
目次
- 1 いきなり発売開始された8.9インチUMPC「MAG1」
- 2 GeekbuyingでMAG1をいち早く購入したつもりがEMSで大遅延!
- 3 MAG1開封の義:しっかりした箱とパッケージに安心
- 4 付属品の充電器はプラグ折り畳み式でコンパクト設計
- 5 絶妙なサイズ感のスリムべセル8.9インチを歴代UMPCと比較
- 6 よりコンパクトでよりパワフルに!MAG1はT90CHIの進化系か?
- 7 MAG1のインターフェースは全部入りで十分
- 8 WiFiモデルだけどLTEモデルみたいにSIMカードが挿せる?
- 9 MAG1を2週間毎日使ってみた感想!ここが好き!
- 10 MAG1を2週間毎日使ってみた感想!ここが不満!
- 11 総評:MAG1は買うべきか!?
いきなり発売開始された8.9インチUMPC「MAG1」
クラウドファンディンなどを経ずに突如発売開始されたMagic-Ben社製8.9インチUMPC「MAG1」。これ正式には何て読むのでしょうかね。「マグワン」でしょうかね。
スリムなベゼルの8.9インチディスプレイとタッチパッド搭載が最大の特徴。その他のスペックは最近よくあるUMPCと大体同じ。
GeekbuyingでMAG1をいち早く購入したつもりがEMSで大遅延!
私がMAG1を購入したのはGeekbuyingという中国のガジェット系通販サイト。2019年10月頃に入荷前の予約(プレオーダー)という形で購入しました。
その時の値段や構成はこんな感じ。
【メモリー16GB + 512GB SSD + WiFi】というハイスペックな構成でMAG1の本体価格は87502円。
海外からの配送方法はAirmail(無料 15-30日)・EMS(663円 7-15日)・DHL(2688円 5-10日)から選べるのですが、私はコスパが良さそうなEMSを選択。送料が663円で7日~15日で到着するのだとか。
本体価格とEMS送料を合わせて88165円をクレジットカードで支払って購入完了!
と思ったら、海外通販あるあるのちょっとした心配事が発生。
ケースやマウスはMAG1本体まで当たるお得なキャンペーンくじに、なぜか応募できなかったり(→運営に問い合わせしてもシカト)。
買った直後にキャンペーンで値段が下がったり追加仕様が発表されたり。
クレジットカードと身分証明書のコピーをメール添付で提出してほしい、などなど。
Geekbuyingサイトに記されている入荷時期のカウントもすごくアバウトで、ようやく発送されたのが2019年11月22日。
メールで届いたEMSの追跡サイトを見てもずっとエラーが起きてトラッキングできないし。
色々と自分で調べてこちらのSPEEDPOSTというサイトでようやくEMSの追跡ができたのですが。
ここからがまた長くて。配送サービスセンターに到着したままでいつまでたっても日本への便に載らないんです。
twitterなどでは「うちはDHLでMAG1が届いたよー」などという報告がボチボチ上がり始めて、ちょっとうらやましくなったり。
ようやく我が家にMAG1が到着したのは2019年12月7日でした!こんなことならDHLにしておけば良かった!
Geekbuyingで最大に嫌だったのがEMS配送が遅すぎる事と、サポートに連絡をしても都合が悪い質問にはいくら待っても返事が返ってこない事。基本シカトされます。
ともあれ、無事に年内にMAG1が到着して安心しました。
MAG1開封の義:しっかりした箱とパッケージに安心
前置きが長くなりましたが、ようやくMAG1の開封です。
中華通販あるあるの箱の潰れや汚れは今回はありませんでした。MAG1本体もとても綺麗にパッケージされており箱底にはちゃんとクッションが敷いてあったり。なかなか高級感あります。
Magic-Ben社なんてメーカー初めて知りましたが、割としっかりしている印象です。
付属品の充電器はプラグ折り畳み式でコンパクト設計
MAG1の付属品は以下のとおり。
中国語と英語で書かれた説明書、USB-Cケーブル、それと充電器。充電器はプラグを折り畳めるのでコンパクトでモバイル向き。
絶妙なサイズ感のスリムべセル8.9インチを歴代UMPCと比較
MAG1の本体サイズは横幅146.5mm・奥行207.2mm・厚さ17.5mmで、最近のUMPCとしてはかなり大きめ。ぎりぎり片手で掴めるので、一応UMPCの部類に入れても良いかと私は思っています。
ディスプレイは8.9インチなのでUMPCとしては大型ですが。スリムベゼル設計なので通常の8.9インチよりもかなりコンパクト。
片手でも、ほら、ちゃんと掴めるサイズ感。
他のUMPCと並べて大きさを比べてみるとこんな感じ。
左からONKYOのBX407A4、GPD Pocket、OneMix2s、MAG1、そして一番右がASUSのT90CHIです。
右の3つを比べてみると、MAG1はOneMix2sよりひと回り大きく、T90CHIよりは少し小さいずんぐりとした形状なのがわかります。
よりコンパクトでよりパワフルに!MAG1はT90CHIの進化系か?
ASUSのT90CHIといえば一世代前のUMPCの最高傑作品です。今でも私はT90CHIのキーボード配列が最高だと思っていますし。
今回新しく購入したMAG1はその名機T90CHIの進化版だと思っています。なので両者をさらに細かく比べてみます。
横幅はT90CHIの方が長くて細長い形状ですが、ディスプレイサイズはどちらも8.9インチで同じ。MAG1はベゼルが狭い分、横幅がT90CHIよりも縮まっています。
MAG1は横幅はコンパクトですが、タッチパッドの分だけ奥行が少しだけ増えた感じです。
キーボードの横幅も比べるとこれだけ違います。T90CHIの方がだいぶ細長い。
キーボードの配列はT90CHIが圧倒的に優れています。カスタマイズなしで使えるノーマル配列でFnキーも単独で機能するので使いやすい。横幅もあるのでブラインドタッチも余裕です。
対して、MAG1のキーボードは変態配列なのであくまでカスタマイズ前提。色々ソフトを使って自分の好みの配列に変更すれば、まあ使えるレベルにはなりそう。欲をいえばT90CHIのキーボードの横幅があればもっとタイピングしやすかったのに。
それでも、MAG1にはタッチパッドがあるのが最大の利点。T90CHIにはタッチパッドもトラックポイントも何もついていませんでしたから。
トータルで考えると、MAG1の変態キー配列はソフトで補えば許せるし、横幅の足りなさも慣れれば苦じゃなくなるので、タッチパッドがあるMAG1の方がT90CHIよりも扱いやすい、と感じました!
本当はこんな感じでT90CHIの横幅と配列のキーボードに、MAG1のタッチパッドを付けてくれれば最高なのになあ。
MAG1のインターフェースは全部入りで十分
MAG1の端子類はUSB-A、USB-C、MicroSDカード、MicroHDMI、イヤホンジャックも付いていて必要十分。これだけあれば普段使いでは全く困りません。
特に嬉しいのがMicroSDカードスロット。
カードリーダーなど余計な物を間にかまさなくても、直にMicroSDカードが挿せるのはありがたいです。
出先でカメラで撮った写真データを吸い上げたり。常時挿しっぱなしにして内部ストレージ代わりにしたり。色々使えて重宝しそう。
WiFiモデルだけどLTEモデルみたいにSIMカードが挿せる?
ところでMAG1にはWiFiモデルと、少し値段が高いLTEモデルが用意されています。LTEモデルはSIMカードを挿せばそのままネットに繋げられる4G対応。
私が購入したMAG1はWiFiモデルなのですが、本体側面になんとSIMカードスロットが付いていました!
これはもしかしてSIMカードを挿せばそのまま使えるのでは?
SIMカードは挿入できましたが、やはり使えませんでした。残念。
結論。WiFiモデルにもSIMカードスロットは付いていますが、そのままでは使用できず、別途4Gモジュールが必要。蓋を外してここに挿せば使えるそうです。
そりゃそうだよね。
MAG1を2週間毎日使ってみた感想!ここが好き!
では、実際にMAG1を使ってみた感想を。2週間ほどほぼ毎日外に連れ出し、カフェや電車内でブログ執筆や画像制作や動画編集に使用してみました。
よかった点をまとめるとこんな感じです。
■MAG1を実際に使ってみてよかった点
- タッチパッドが最高!トラックポイントにはもう戻れない
- 癖のある変態キー配列は、慣れる
- モバイルできる絶妙な重さとサイズ
- ギリギリUMPCサイズの8.9インチはやっぱり大きくて使いやすい
まず、UMPCなのにタッチパッド(トラックパッド)があるおかげで、ほぼメイン機と同程度に使えました!おめでとう、こんなにUMPCで仕事が捗ったのはMAG1が初めてです。もうGPD pocketシリーズやOneMixシリーズのトラックパッドには戻れません!
タッチパッドは小さくても高性能。1回タップするとマウスの左クリック。2回タップでマウスの右クリック。ダブルクリックしてドラッグするとドラッグ&ドロップ。2本指でスクロールもできるのでネット閲覧がとても快適。
さらに、トラックパッド上に3本指までは余裕で置けるので、細かいジェスチャー機能を割り当てられます。
下記は私が設定した3本指ジェスチャーの設定。3本指で左で「前のトラック」、3本指で右で「次のトラック」。これでネット閲覧が格段にしやすくなりました。
さすがに4本指はタッチパッドに収まらないので使えませんが。3本までで十分便利。
UMPCにトラックパッドがあるだけでこんなに快適になるのか!とびっくりしています。
次にMAG1の癖のあるキー配列に関して。まずは「Change Key」などのキー配列変換ソフトでカスタマイズして、しばらく使えば完全に慣れます。
キー1つ1つが違和感なく使えるぐらい大きめサイズなので、ブラインドタッチも余裕です。キー上にプリントされている大きめの文字も、初めは違和感がありましたが、慣れれば見やすくて使い勝手ヨシ。
何よりも、トラックパッドがとにかく優秀で、多少のキーボードの不備なんか全然カバーしてくれちゃっています。これなら全然メインの執筆マシーンとして使えるレベルです。
そして、MAG1の重さとサイズに関して。UMPCとしては大きめで重量も690gありますが、モバイルするのに全く苦ではありませんでした!
MAG1はさすがにポケットには入りませんが、普段使いのボディバッグには余裕で収まります。下記は私が普段愛用しているPORTERのボディーバッグですが、カバーを付けた状態でジャストサイズでぴったり格納できました。
これならちょっとした外出ついでに持ち歩いて、カフェなどで手軽にノマドできます。
この2週間、私が普段利用する仕事場所で実際にMAG1を使ってみましたが、全く問題ありませんでした。
移動中の電車の中でもかさばらすに膝上で使えました。
おしゃれなカフェでも小さなパソコンなので仰々しくなくノマドができるし。コーヒーショップのコンパクトなテーブルでも邪魔になりません。
最近マイブームの湯ワーキングでもMAG1が大活躍です。
最後にMAG1の8.9インチディスプレイに関して。私の用途(執筆、画像編集、動画編集など)ではメイン機として使えるギリギリの大きさでした。ギリギリありです。
この記事も近所の温泉スパで書いているのですが、2画面表示でブラウザーと画像を同時に並べても違和感なく使えたので合格。
画面は大きければ大きいほど作業効率は上がるものですが、外でノマドするときは機動力重視。ボディバッグに放り込んでおいて手軽に取り出せるライトな感じ、それとそこそこちゃんと使えるスペックとのバランスが、MAG1は最高だと思いました!
これはしばらくどこに行くのもMAG1と一緒だわ。それぐらい気に入りました。
MAG1を2週間毎日使ってみた感想!ここが不満!
では、逆にMAG1を使ってみて、気になった点や不満に思ったことは?
下記のとおりたくさんありますので、購入を検討している 方は注意して下記をご覧いだだければと思います!ぶっちゃけ欠点が結構あります。
■MAG1を実際に使ってみて不満だった点
- Windowsライセンス認証エラー?初期設定がスムーズにいかない
- 黒いボディーに指紋ベタベタつきまくり
- 排熱機構がしょぼくてすぐ熱くなる
- パカッととスムーズに開かない
- ジーンズのポケットにねじ込むワクワク感が無くなった
まず、開封してWindowsを起動するまでがなかなかスムーズに行きませんでした。
新しいWindows PCを起動すると出るいつもの初期設定画面が一向に出てこないで、変なテスト画面が出たり。
何度か再起動してようやく初期設定を終えたと思ったら、Windowsのライセンス認証でエラーが出たり。これも何度か再起動して自己解決しましたが。
どれも致命的ではないのですが、ちょいちょい不備があって不安にさせられます。MAG1はパソコンに詳しくない初心者や女性向きでは全然ありませんね。
女性向けでないといえば、真っ黒ボディーが指紋でベタベタに汚れるのも嫌な点。GPD pocketやOneMixのアルミボディーの方が、汚れにくいし見た目もスマートでよろしい。
MAG1のカラーは黒一択なのがちょっと感覚的に古い気がしますね。
それとMAG1の排熱機構がしょぼくて心配な件。裏面に排熱口があるのですが、細長い2本のゴム足で底面を浮かせて隙間から熱を逃がすのですが。きちんと排熱できているかとても不安です。
実際に30分ほどフル稼働させると底面が熱々になってしまいます。冬はまだよくても夏場は相当厳しいかも。
それと背面のゴム足がただの長い棒なので格好悪いし邪魔。もう少しコンパクトでスマートな丸足などにできなかったのか?本体を手で掴んだときにゴムの安っぽくい感触がとても嫌!
もう1つ地味に不便なのが、起動して使うときに若干開けにくいこと。MAG1の天板と底面は、ぴったり隙間なく閉まっていますが、引っ掛かりがほとんど無いので開けにくい!
おしゃれカフェでさっそうとMAG1を開こうとすると、1回で開けずにもたついてしまい、いつもちょっとだけ不便さを感じます。
最後にUMPCとしてのワクワク感について。MAG1の最大の欠点はもはやUMPCといえないサイズ感。ボディーバッグには入りますがズボンやスーツのポケットには到底入りません。
私が愛用してきた歴代UMPCたち。これらを使って不便ながらも感じていた、タイトなジーンズにUMPCをねじ込む様なワクワク感が、MAG1では完全になくなりました。
試しにズボンのポケットにMAG1(自作のケースに入れた状態)をねじ込んでみましたが、ダメ、おさまりません。
ポケットに収まることがそれほど重要なのか?必須ではないけれど、ポケットにパソコンがすっぽり入るって、なんかワクワしませんか?私はワクワクしますよ、”ポケットの中の仕事場”という響きに!
ポケットに収まらないMAG1のサイズはもはやUMPCではありません。普通PCの小型版。そうなると、普通PCとしてはMAG1の画面サイズは小さいしスペックも低すぎ。中途半端なんですよね。
総評:MAG1は買うべきか!?
タッチパッド付きの8.9インチサイズのMAG1は、私としてはかなり使い勝手がよく、多少の危なっかしさはあるけれど、しばらくは出先で使うメイン機として活躍してくれそうです。素直に買ってよかった。
でも、ここ数年でブームが再燃しているUMPCですが、サイズもスペックもMAG1あたりが限界でしょう。これ以上大きくはならないし、これ以上のスペックはそもそもUMPCのミニ画面では使い難いし。
私はこのMAG1はしばらくはガンガン外で使い倒します。軽くて持ち運びできるサイズでそこそこ動いて便利だから。
でも、2020年にSurface Neoが発売されたら他のUMPCには見向きもしなくなりそう。こっちの方が新しくてワクワクするから。
こういう全く新しいゼロ→イチの発想や洗練されたデザインは、天空やOne-NetBookやMagic-Benなど中華メーカーでは絶対に無理だと思います。
中華メーカーが競っている単純に小さい箱にハイスペックを詰め込むだけのUMPCはもう頭打ち。
中華メーカーのUMPCはもういいかな。
MAG1がUMPCとして思いのほか完成度が高かったので、逆にそう思ってしまいました。
とか言いつつ、中華メーカーがSurface Neoの廉価版みたいな低価格2画面UMPCなんか出してきたら、それはそれで楽しみですけどね。
■MAG1にSSDを増設してみた!
■MAG1をもっと使いやすくするキーボード設定
■MAG1に必須のアクセサリーやモバイルバッテリー
■MAG1専用レザーカバーをたった30分で材料費500円でDIY
■MAG1用に超小型61W急速充電器を購入